サマーキャンプ

キャンプスタッフのストーリー: 森の中の23日間

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この夏休みは、私がみらいの森の子どもたちと過ごした三度目の夏休みとなりました。 毎年、韓国の仁川空港から羽田へ向かうフライトの中で、新しいキャンパーとスタッフに会える興奮と期待で胸を躍らせます。「今回のサマーキャンプにはどんな子どもたちが来るのかな?知っているキャンパーやスタッフはいるかな?」 こんな思いが浮かんでは消えながら、眠りに落ちていきます。それと同時に、 「夏期クラスを受講するべきなのでは? 就職活動に専念した方が良いのでは?」という不安も頭をかすめます。
でも毎回、みらいの森の子どもたちと一緒に過ごした経験がどんなに素晴らしかったかを思い出し、この夏の目的は子どもたちの人生にプラスの影響を与えることだとの結論に達するのです。夏の日々が過ぎるにつれ、そよ風が葉を揺らす音、キャンプ場に響くセミの鳴き声や子どもたちの笑い声などが、私の中の心配や迷いを消し去ってくれます。

私は、都会で暮らし、大学で学ぶ中で、人生においてバランスを優先すべきであると学びました。大学生活では常にやるべきことのエンドレスなリストと奮闘しています-学業、アルバイト、個別指導、ソーシャルライフ、ありとあらゆるもの。このように沢山のことにバランスを取りながら、全てがうまく収まるように、時間通りに終えるようにともがく中で、諦めようと思う時もあります。
そんな毎日を乗り切って前に進むためには、やるべきことから解放される時間を作り、エネルギーを与えてくれたり、元気を貰えたりすることに取り組む必要があると気がつきました。私にとって、それを叶えるのが「みらいの森」です。「みらいの森」は人生にとって一番大事な二つをもたらしてくれます。私の中の子どもらしい素直な心を呼び覚ますスペシャルなストーリーを共有してくれる子どもたちと、自然の存在です。

私にとって「みらいの森」のキャンプに参加することは、休息とリセットのようなもの。木々の間を走ったり、テントの中で眠ったり、チームトークや夜遅くにテントを回ったときに子どもたちの中に育まれた大胆な夢を聞いたりしながら子どもたちと過ごす夏は、私の視野・思考を広げ、私の中のイマジネーションを刺激してくれます。


キャンパーたち、またリーダー実習生(LIT)のみんなは、それぞれに幼い頃から辛い体験をしてきている子もいます。それにも関わらず、彼らが過去の傷を乗り越え、5日間のキャンプでチャレンジや有意義な経験を通し達成感を得、徐々に元気を取り戻していく様子を見ると、私は、子どもたちの中にある可能性をもっと解き放ちたいと強く思うようになりました。

そんな願いもあり、前の学期では韓国で親友と共に、2019年のウィンターキャンプの資金を集めるためのプロジェクトを始めました。私たちの目的は、手造りのキャンドルを売ることでみらいの森の子どもたちの夢を照らそう、というものでした。そしてその活動(LIT プロジェクト)は見事成功し、1か月もしないうちに100本を超えるキャンドルを売上げ、6万円以上の資金を集めたのです。このプロジェクトは、「みらいの森」や子どもたちのことを知らなかった親友だけではなく、手伝ってくれた仲間や友人までもが、施設で暮らす子どもたちの事情についてもっと多くを知ることが出来る良いきっかけとなりました。個人的にも、「みらいの森 Korea」設立に向けた旅への布石になりましたし、それを手伝ってくれる仲間を得ることが出来ました。

このように、私の想いに共感してくれる仲間を得ることは非常に重要なことです。また、自分の周りに、この世界をもっと良くしたいと心から願う人々がいるのを知ることは、とても嬉しいことでもあります。「みらいの森」は、そのような人たちに出会える格好の場所です。初めは見知らぬ者同士ですが、4週間、共に生活し、一緒に星を眺め、かけがえのない意見や議論を交わす中で、新しい姉妹や兄弟のようになっていきます。そんな新しい友人たちと共に夏を過ごす中で、私はソフトスキルを磨いてきました - 組織力、コミュニケーション能力、タイムマネージメント - それらは生きる上で、また学校や働く場所において必ず必要となるものです。

自分の仕事が楽しめることはとても光栄であり、自分の誇りでもあります。子どもたちの中にある最も良い部分を引き出そうと一生懸命になる中で、私は自分が本当にやりたいことは、この人生を通して、次の世代を育て、良い影響を与え続けることだと気付きました。何て大きな喜びでしょう!
まさに、この発見は夏期クラスや職場のインターンシップで学ぶこととは比べ物にならないものでしたし、ただ知識を得たりキャリアを築いたりするよりも、もっと大きな何かの一部になれたことをとても有難く思います。これからも「みらいの森」が育ち、子どもたちも成長し、その人生の果実が豊かに実るのを見守りながら、子どもたちとの旅を一緒に続けて行ければと思います。

ここで、過去2年間に参加したキャンプで得たことを皆さんとシェアしたいと思います。

個人的なこと:

  • バカなことをするのを恐れないこと。ありのままの自分でいること、そしてそうであることをやめないこと!
  • キャンパーや、スタッフ、とりわけ自然と接する中で、自分自身についてより多くを知ろうとすること。
  • 自分の弱いところを知ることもあるでしょうから、それと向き合う心構えを。
  • 新しい子どもたちのグループに、すぐに慣れられるように。

キャンプでの秘訣など:

  • 日記をつけること。キャンプでの経験は、大なり小なり、まさにあなた自身をも変えることでしょう。キャンプの間のあらゆる出来事や感情を、あなたが成長した過程を後で見直せるように、記録に残しておいてみて下さい。
  • 朝は早く起きて、ホワイトボードに書かれたことを確認しながら一日をスタートさせること。
  • 鳥のさえずりや、木々が風に揺れる音に耳を傾けること。聴こうとする時にだけ、自然は多くを語ってくれます。他のことについても同様です。耳を傾けましょう。
  • 孤独を楽しむこと。
  • 水たまりを避けないこと。どのみち、初めの数日でつま先から踵まで泥だらけになるので -キャンプが終わった後、その汚れを完全に泥を落とすにはまるまる1週間を要するくらい- 泥まみれになることも覚悟しておいてください。
  • 沢へのハイキングを楽しむこと - 木々やハチミツの匂いを味わって、飛んでいるアブは気にしないこと。
  • もし十分近くまでいけば、木々の間にあるハチミツの匂いを感じることが出来るでしょう。
  • みんなとの交流を楽しむこと。- 子どもたち、ケアワーカー、そしてスタッフ - 自然が教えてくれることと同じくらい多くのことを、みんなも教えてくれるでしょう。
  • キャンプ最終日にサヨナラを言う時には、必ずハンカチを用意すること。