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私が支援する理由 vol.3 デイブ・パドックさん

シリーズ第3回: みらいの森共同設立者・イングリッシュアドベンチャー代表、デイブ・パドックさんのストーリー

10周年を迎えたみらいの森では、多方面から継続的にご支援いただいているみなさまにインタビューをさせていただき、みなさまの「想い」をお届けしています。みらいの森と共に歩んできた大切なパートナーさんとして、みらいの森との出会いや、みらいの森のアウトドアプログラムの魅力など、これまでの軌跡を振り返りました。

今回は、みらいの森の共同設立者であり、キャンプ・野外教育会社イングリッシュアドベンチャーの代表であるデイブ・パドックさんにお話を伺いました。デイブは、子どもたちの成長や野外教育への情熱がきっかけとなり、「みらいの森」を立ち上げました。子どもたちを愛する気持ちと、児童養護施設に暮らしているかどうかに関わらず、アウトドアで得られる子どもたちの成長の機会を提供したいという思いが、デイブのみらいの森への継続的な支援の原動力となっています。


イングリッシュアドベンチャー設立の経緯は?

私は大学で生物学と生態学への愛に目覚めました。勉強に没頭すればするほど、そして特にフィールドワークをすればするほど、自然が好きになりました。野外教育では、抽象的で学術的な理解だけでなく、自然との直接的な個人的な関わりが不可欠であるという重要な考え方があります。自然との関係を真に築いたとき、私たちは自然を愛するようになります。そして、愛するものは、守りたくなります。そのような流れは、確かに私の経験でもありました。
日本に来て間もない頃、アメリカでは一般的な宿泊型のサマーキャンプのニーズが満たされていないことメンターが教えてくれました。私の経歴を知る彼女は、私がそのニーズを埋めるユニークな立場にいるのではないかと提案しました。日本の子どもたちとアウトドアを共有する機会は、私の恐怖心やビジネス経験のなさを克服してくれました。2003年、埼玉のキャンプ場を借りて、数十人の子供たちとスタッフでイングリッシュアドベンチャーのサマーキャンプを開催したのが始まりです。その小さなスタートから、今では新潟にある専用の施設で、何千人もの子どもたちにサービスを提供するまでに成長しました。

「アウトドア」とはあなたにとってどのような意味を持ちますか?

個人的には、アウトドアは私の心や精神に最も良い影響を与えてくれます。辛いことがあったときや、何か乗り越えなければならないときなど、まずは自然の中に身を置くことが大切だと思っています。野外教育の考え方の1つに、まずは子どもたちが自然に親しむことが重要だという考え方があります。自然を本当に知ることで、自然を愛することができるようになるのです。そして、好きになったものは、必ず守りたいという気持ちになります。

子どもたちが大きくなって、自然を愛し、守っていく存在になるために、児童養護施設で暮らす子どもたちにとって、「みらいの森」は重要な役割を担っていると感じます。

みらいの森のアイディアはどのように生まれたのですか?

みらいの森は、ジェフ(現副理事)と私の「自分のスキルや状況を活かして何ができるか」という情熱と、そして「私たちが日本で生活し、働けることへの感謝を、どうやって日本のコミュニティに伝えることができるのか。」という気持ちから生まれました。多額の寄付をできるような余裕はありませんでしたが、私たちが得意なことから、できることから始めようということで、スタートしました。

2013年にNPOとしてみらいの森を立ち上げた動機は何だったのでしょうか?

みらいの森を立ち上げた理由のひとつは、社会の中では、それぞれの置かれた経済的状況や環境によって、何かに挑戦したり経験したりできる機会が異なるという気づきからでした。みらいの森の子どもたちと接するうちに、彼らが抱えているトラウマが、キャンプで心を開くこと、そして人生における他の多くの事柄から、彼らの成長を妨げていることがわかりました。そのことに気づき、胸が締め付けられる思いでした。また、私たちの小さなキャンプ事業のリソースではサポートしきれないほど、多くの子どもたちが児童養護施設で暮らしていることも知りました。

せっかくのご縁で関わることができた、美しい子どもたちは、彼らの癒しと成長をサポートするために特別にデザインされたアウトドアプログラムを必要としていることがわかりました。そして、私たちは「NPO法人みらいの森」を設立することを決意しました。

現在、どのようにみらいの森と関わっていますか?

イングリッシュアドベンチャーのキャンプにお申し込みの際、多くのご家族が「みらいの森への寄付を追加する」オプションを選択してくれています。また、みらいの森の週末プログラムやリーダー実習プログラムのために、さまざまなリソースのサポートやアウトドア用品を提供させていただいています。このように、私たちの資源を共有し、子どもたちのためにアウトドアの価値を特に高く評価してくださるご家族からのサポートを得られることは、とても幸運なことだと感じています。

日本のNPOとして、みらいの森はどのような点がユニークだと思いますか?

みらいの森には、日本だけでなく世界中から、私がこれまでに出会った中で最も興味深く、刺激的で、スキルの高い人たちが集まっています。チームやサポーターが国際的であることは、他にはない強みだと思います。エグゼクティブディレクターのこずえをはじめとする理事の皆さんは、認定NPOに求められる勤勉さと緻密さ、そしてミッションの実現に必要なビジョン、戦略、人間関係を備えています。そして、10年目を迎えた「みらいの森」を、より強く、より良い状態へと導いてくれています。

みらいの森10周年のメッセージ

みらいの森が、10年という長い間、多くの子どもたちのために活動してきたことを祝福したいと思います。スタッフ、ボランティア、サポーター、スポンサーなど、この素晴らしい、まさにグローバルなコミュニティが、心と力を合わせて、これを実現させてくれたおかげです。みらいの森に関わったすべての人に、おめでとうの気持ちをお送りします。


みらいの森では、子どもたちが継続してプログラムに参加することに大きな意義があると信じています。子どもたちが安心して学び、成長できる場を提供し続けるためには、皆さまからの継続したご支援が必要です。

子どもたちの成長を一緒に見守り、生きる力を身に着ける機会を子どもたちに提供し続けられるよう、マンスリーサポーターとしてみらいの森コミュニティーに加わっていただけないでしょうか?

今後も、1人でも多くの子どもたちの幸せで実りある成長と自立を支援していけるよう、皆さまのご支援をお願いいたします。

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