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みらいの森について知るシリーズ#6 みらいの森プログラム – プログラムツール
みなさまに児童養護施設とそこに暮らす子どもたち、そしてみらいの森の活動について、シリーズをお届けしています。今回はみらいの森がどのような体験の場を提供し、そこでの学びをどのようにして身に着けていってもらっているのか、また、実際にプログラムで使っている方法やアクティビティーの1部を紹介します。施設と子どもたちについてより知識を深め、みらいの森についてよりよく知っていただけるきっかけとなれば幸いです。
シリーズ#6:みらいの森プログラム-プログラムツール
みらいの森プログラムでは、子どもたちに多様な体験を通して新しい発見と学び、そして生きる力を身に着けてもらうために、「アウトドア」、「多様性」、「ロールモデル」の3つの「道具」を主に使っています。アウトドアは子どもたちに差別や偏見のない、また他の人や自分自身に甘えることのできない環境を提供してくれます。そこで子どもたちは他の子と同じスタート位置に立ち、周りからの偏見や影響を受けずに真の自分と向き合うことができます。また、子どもたちは様々な背景や職業、ライフスタイルを持つ大人たちと交流し、新しい考え方や価値観に出会います。このような環境で、子どもたちは自分と向き合い直し、新しい面を発見し、何が起きてもぶれにくい「自分」を確立していくことができます。
キャンパーたちはプログラム中、チームになって活動します。ほとんどの場合、各チームにキャンパーが4-5人と施設から参加する引率職員さん、そしてキャンプスタッフが入ります。チームとしての最初の活動はチーム名を決め、ヘッドカウントを作ることです。ヘッドカウントとは点呼のようなもので、各チームメンバーが順番に自分の番号を言い、全員揃っているかを確認する方法ですが、数え方を工夫したり、ジェスチャーやダンスを入れたりと、チーム独自の創造力豊かなヘッドカウントが出来上がります。ヘッドカウントはプログラム中に何度も行われるので、最初はシャイな子も次第に大きな声で自分の番号を言えるようになり、1日を通してチーム感を増していく効果があります。また、リピーターが率先してチーム名を提案したり、ジェスチャーを決めたり、ヘッドカウントそのものをリードするなど、前回の経験から学んだことを試してみたり、普段の生活ではあまり表に出てこない子がリーダーに挑戦してみたりと、新しい自分を発見する機会にもなります。
プログラムの最後は各チームで振り返りを行います。これはその日行ったことを、ただ起こったことだけとして留めておくのではなく、何をやって自分はどのように感じたかをもう一度振り返ってもらうことで、そこでの気付きや学びを固定していくためです。振り返りでは子どもたちがより思い出しやすく、普段よりも少し深く考えてもらうために、「Impact-印象に残ったこと」、「New-初めてやったこと、知ったこと」、「Yay-上手くいったこと」、「Hmm, next time-上手くいかなかったこと」の4つをもとに考え、チーム内で発表してもらいます。また、他の人の振り返りを聞くことで、その人が同じ状況で何を思い、どのように感じていたかを知ることができ、自分と他人との考え方や価値観の違いから、さらに自分のことを知る機会にもなります。
このような学びや気づきは1回のプログラムで完結し、習得できるわけではありません。似たような体験を何度も繰り返すことで学びを蓄積し、少しずつ自分を確立させていきます。また、同じアクティビティーでもメンバーによって違う経験になったり、1年前に比べてできることが増えて違うことに挑戦してみたりと、成長過程や状況によっても得られる物が変わります。子どもたちが生きる力を身に着けるには、多様な経験を継続して得ることが大切です。そして、みらいの森としてもこの非日常で少し特別な環境を継続して提供して行くことがとても重要になのです。
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