ブログ
みらいの森について知るシリーズ#8 成果、課題、そしてこれから
みなさまに児童養護施設とそこに暮らす子どもたち、そしてみらいの森の活動について、ブログにてシリーズをお届けしています。このシリーズの最終回となる今回は、今までの成果、見えてきた課題、そしてこれからのみらいの森についてお伝えしていきます。施設と子どもたちについてより知識を深め、みらいの森についてよりよく知っていただけるきっかけとなれば幸いです。
成果、課題、そしてこれから
みらいの森は2013年に特定非営利活動法人に認定されて以来、長期宿泊や日帰りプログラム、近年ではオンラインでの活動など様々なプログラムを実施し、延べ2000人以上の子どもたちと500人以上の職員さんたちにユニークな体験の場を提供してきました。初めは夏と冬のキャンプだけでしたが、学びを継続させ、さらに視野を広げてもらうためにスポンサーさんたちをロールモデルとして迎え入れ、ともに活動してもらう週末日帰りの自然つながりプログラムを毎月行うようになりました。さらに、自立を間近に控える高校生のために、社会に出た時に必要となるコミュニケーション力やプロジェクトマネージメントを実践し練習できる、リーダー実習プログラムも本格的に開始しました。ここ数年間ではプログラム参加者のリピーター率が増え、小学校低学年の時からみらいの森に参加してくれてきた子たちが高校生としてプログラムに戻って来てくれるようになり、子どもたちの成長に合わせたサポートを継続できていると実感しています。また、プログラムの内容だけでなく、施設として気軽に子どもたちを参加させてあげられるように、職員さんたちとの対話を進め、各施設に合わせた方法や職員さんたちの負担をできるだけ減らす仕組みを取り入れるなど、施設との関係構築にも力を入れています。このように、子どもたちの成長と共にみらいの森も成長してきました。
しかし、プログラムを実施し、職員さんたちとの会話を重ねていく中で課題も見えてきました。施設では子どもたちの希望なども聞き入れながら、みらいの森プログラムに参加してくれていますが、中には公共交通機関での移動が不安だったり、知らない場所で知らない人たちと活動するのが苦手と言った理由で参加できない子どもたちもいます。また、子どもたちに参加してもらうにはどうしても職員さんに頼らざるを得ない部分が多く、多忙なスケジュールの中、シフトなどの関係で職員さんに負担をかけてしまい、結果的に参加できない子もおり、このような体験の機会を本当に必要としている子たちにサポートが届いていないという懸念があります。
みらいの森では、引き続き子どもたちも職員さんも気軽に安心して参加できる居場所となることを目指して活動していきます。現在のプログラムに加え、施設内や施設の近くでプログラムを行い、通常のプログラムには参加しにくい子たちにも来てもらえるような新しい形のプログラムも検討しています。また、慣れ親しんだ環境で継続して学んでもらうには安定した場所と人の確保、そして子どもたちと共に成長し続けるプログラムを継続して提供していくことが大切になってきます。そのために、みらいの森独自の拠点となるキャンプサイトを手に入れることも視野に入れ始めました。今後、この世の中がどのように変化していくかはわかりませんが、不利な状況に置かれた子どもたちが、少しでも明るい未来を目指せるよう、チーム一丸となって活動してまいります。そして、みらいの森との活動を毎月楽しみに待っている子どもたちのために、みらいの森も進化し成長し続けます。
このシリーズは今回で終了となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。また、児童養護施設やみらいの森についてこのようなことが知りたいという要望や意見がありましたら、ぜひお聞かせください。引き続き、ご支援とご協力をよろしくお願いいたします。
シリーズを読む >>